4月1日から、ケータイの各種キャンペーンが大きく変わることになりそうです。たとえば、auは元々5月31日までだった「auにのりかえ割」を3月31日までに短縮。ソフトバンクも、「家族まるごと割パワーアップキャンペーン」を、3月31日で打ち切ります。また、ドコモはiPhoneに対する1GBのデータ容量の増加を3月30日で、auとソフトバンクは31日で中止することを発表しています。


「auにのりかえ割」は、急きょ期間を短縮


ソフトバンクも家族での割引を3月31日で中止


iPhone向けのデータ増量も今後はなくなる

これは、携帯電話の購入補助を適正化するためのガイドラインが、4月1日から適用されるため。巷では「実質0円禁止」などと言われているものです。大手3キャリアは、2月からガイドラインを先取りする形で、販売価格や割引価格を改定し、実質0円を下回る機種は少なくなっていましたが、正式なガイドラインは、さらに厳しいものなりそうです。合わせて、電気通信事業法も改正されるため、実行力も高まります。


4月1日から適用されるガイドライン

ガイドラインで禁止されたことは、以下の文言に集約されています。

「事業者は、契約種別(MNP、新規契約又は機種変更等の別をいう。)や端末機種によって著しく異なる端末購入補助の是正等により、利用者の負担が 合理的な額となるよう端末購入補助を縮小するものとする」

簡単に言えば、MNPなどの特定の契約形態を重視して、そこにキャッシュバックなどを積むことが禁止されるということになります。MNPでも新規でも機種変更でも、端末の価格に大きな差をつけてはいけないということがうたわれているからです。冒頭で挙げた、auやソフトバンクのMNPに対する割引が廃止されたのは、そのため。端末購入の有無に関わらずMNPに対してキャッシュバックする仕組みにも、釘が刺されています。


2ページ目に購入補助に対する考え方が記載されている

また、ガイドラインの注には、「スマートフォンの購入を条件とした月々の利用可能データ通信量の増量については、データ通信量の増量を受けた後のデータ通信量を利用する場合に要する最も低廉な料金額との差額を、端末購入補助に含むものとする」とも記載されています。毎月1GBのデータを増量した場合、それもお金に換算して購入補助と見なされるというわけです。ドコモがiPhoneに対するデータ容量の追加を止めたのは、これが根拠になっています。

このガイドラインは、2月2日に公表され、3月3日までパブリックコメントが募集されていました。そのコメントは総務省の報道発表(PDF)から読むことができますが、修正の過程で、より厳しいものになっていることがうかがえます。


パブリックコメントでは、他社に対するけん制も

驚かされるのが、ドコモがアグレッシブに他社を攻撃しているところ。パブリックコメントを見ると、ガイドラインをより厳密にするよう求めていることが分かります。一部を以下に引用しますが、その様子は、まさに「ドコモ無双」といったところです。

「ソフトバンク殿が運営する『Y!mobile』について、直営オンラインストアにおいてもスマートフォンの価格を大幅に上回る割引が行われている等、行き過ぎた割引に関し改善の兆候が見られません。ソフトバンク殿が運営する『Y!mobile』についても本ガイドラインの対象となると旨を確認させていただきたい」

「KDDI殿が行っている『auにのりかえ割』やソフトバンク殿が行っている「のりかえ割」については、スマートフォンの購入が割引条件から除外されましたが、MNPによる契約を条件とした"実質的に端末購入補助の役割を果たす"割引となっており、結果として他の割引との併用によりスマートフォンの価格を上回る行き過ぎた割引となっています。(中略)
従って、端末購入補助の定義として、『スマートフォンの購入が条件となっていない割引であっても、その割引がMNPによる契約や携帯電話会社の変更に伴うMNPを利用しない新規契約(いわゆる解約新規)を条件として適用され、同時にスマートフォンを購入する場合は、当該割引額を端末購入補助とする』旨をガイドラインに記載いただくことを要望します」

「端末の引き取りを条件としたスマートフォン購入代金の割引については、端末を引き取る対価として端末価値相当額を割引くのであれば、当該割引額について端末購入補助に含まないとすることは適当であると考えます。
しかしながら、KDDI殿やソフトバンク殿は他社のAndroid スマートフォンの引き取りについて、MNPによる契約を条件に、端末の種類や世代に関わらず、一律21,600円でのスマートフォン購入代金の割引を実施しています。一方で、自社のAndroidスマートフォンの引き取りについては、KDDI殿は一律3,000円とし、ソフトバンク殿は一部機種に限り 2,400 円としています。(2016年3月3日現在)
これらのMNPによる契約を条件にした下取りの事例は、引き取り端末の価値を明らかに上回る実質的な端末購入補助であり、本ガイドラインの趣旨に反することから、端末価値相当額を上回る割引額は端末購入補助とすべきと考えます(後略)」


ドコモがアグレッシブに他社にダメ出し


上記のすべてには総務省から返答が寄せられており、結果としてガイドライン案の修正が行われています。MNP利用時の割引や、下取りを利用した端末購入補助の実質的な増額が禁止されたのも、そのためです。

一方で、そのドコモにも、大きなブーメランが返ってきました。先に発表していたiPhone SEの価格に、"待った"がかかったのです。元々、ドコモは3Gケータイからの乗り換えに対して、割引額を大きくする施策を打ち出していました。その総額は1万368円。これが適用されたときの16GB版の実質価格は、ちょうど0円です。この価格が3月28日に改定。乗り換えの際の割引が9720円になり、実質価格は648円になります。


ドコモにもブーメランが返ってiPhone SEの価格を改定

このような形で泥沼化の様相を呈してきた端末購入補助のガイドラインですが、パブリックコメントと修正を受け、4月1日から正式に適用が開始されます。

では、ユーザーとしてはどうするべきなのか。MNPを考えているユーザーに関しては、少なくとも3月31日までに契約を済ませた方がお得になります。2年契約の状況次第といったところもありますが、その解除料より、MNP特典や下取りの合計額の方が高くなることもあります。

機種変更を考えている人は、もう少し様子を見ておいた方がいいかもしれません。ガイドラインの趣旨を考えると、契約形態による差は小さくなるため、相対的に見れば、キャリアを変えずに機種変更した方がいいということにもなります。実際、ドコモは3月31日まで、「春のおとりかえ割」を実施しており、機種変更ユーザーを手厚く優遇しています。こうしたキャンペーンがガイドライン適用後にどうなるのかは未知数ですが、今後は、より自社のユーザーを囲い込む方向に進むはずです。

また、キャリアには、より価格帯の広いスマートフォンをそろえることが、求められるようになるでしょう。今のようにハイエンド一辺倒では、購入補助が少なくなると、ユーザーが買い替えづらくなることは必至です。そうならないためには、元々の価格が安い機種もそろえなければなりません。例年、夏モデルは5月に発表されていますが、そのころに、どのような端末が出るのかも注目しておきたいポイントと言えるでしょう。
MNPするなら3月31日までがオトク!4月1日から総務省のお達しで携帯各社のキャンペーンが大きく変わる(週刊モバイル通信 石野純也)
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