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復活したパンテック、差別化したスマートフォンでブランド力回復を狙う:山根博士の海外スマホよもやま話

山根博士(Yasuhiro Yamane) , @hkyamane
2016年7月27日, 午後04:00 in Pantech
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韓国のパンテック(Pantech)が復活した。倒産の危機を迎えながらも2015年冬に新たな出資者の元で再スタートを切り、2016年6月に新生パンテックの最初のモデルとなる「SKY IM-100」を発売した。

ちなみに型番の「100」の発音は韓国語で「ベック」。製品には「I'm Back」という標語も付けられており、スマートフォン市場再参入にかける意気込みが製品名からも感じられる。実際にこのIM-100はかなり意欲的な製品で、パンテックらしさが随所に光る、魅力的な1台に仕上げられている。

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パンテックはサムスン、LGに次ぐ韓国第3のメーカーとして、一時は世界各国でスマートフォンを販売していた。日本でもau向けに「Sirius α」や「VEGA PTL21」を投入したことは記憶に新しい。だがこれらのモデルはパンテックらしさを出した製品というよりも、キャリア側の要求を満たすミッドレンジモデルと言う印象の製品で、同じ韓国メーカーのサムスン、LGほどメジャーな存在にはなれなかった。そのためパンテックの名前に記憶の無い日本の消費者も多いかもしれない。


▲パンテックの日本向けスマートフォン「Sirius α」(右)のベースは韓国向け「SKY VEGA」(左)

しかし本国の韓国ではサムスン、LGには無いオリジナリティー溢れる製品を次々とリリースし、一時はLGを抜いてシェア2位になるほど人気のメーカーだった。サムスンはグローバルでシェア1位、LGも常に5位以内にランクする上位メーカーであり、この2社と対等に戦うためには徹底的に差別化された製品が必要だった。そのためパンテックの韓国向け端末は特徴的な製品が多かったのだ。

たとえば2013年1月に発表した「VEGA No.6」は約6インチ(実際は5.9インチ)の特大ディスプレイを搭載した製品で、背面のカメラの下にはタッチパッドを設置しマウスのように使うことが可能な端末だった。また2014年11月に発表した「VEGA Pop Up Note」は側面のスイッチを押すとペンが自動で飛び出し手書きできる製品だった。そのペンを使わないときは、ペン内部に内蔵されたアンテナを使ってデジタル衛星TVを快適に視聴することもできた。

この2機種はどちらもサムスンのGalaxy Noteシリーズ対抗モデルだが、大画面スマートフォン需要が高い韓国だけに、パンテックとしても大画面モデルには特に力を入れていたのだろう。だが矢継ぎ早に新製品を投入するサムスンと、高いブランド力をもつアップルの前にパンテックも力尽きてしまった。韓国では2013年にモトローラ、HTC、RIM(ブラックベリー)、ノキアが相次いで市場から撤退したが、その翌年にはパンテックもサムスン、LGそしてアップルの前に白旗を上げる結果となってしまった。


▲5.9インチのVEGA No.6。Xperia Z Ultraよりも半年早い発表で、当時世界最大の画面サイズを誇る

2014年末の最後の製品から約2年、復活したパンテックは事実上3メーカーに独占された韓国市場にどのような戦略で再参入を図るのだろうか。それは特徴のあるミッドレンジモデルの投入だ。韓国では2014年秋に制定された端末流通法により、スマートフォンのキャリアによる値引き(補助金)金額の上限(約3万円)が制定された。これによりハイエンドスマートフォンの値段が実質上昇し、端末が買いにくい状況となった。ところが2015年になると価格を押さえながらも実用性の高いミッドレンジモデルが次々と投入され、学生向けのプロモーションが展開されるなど中低価格帯端末の市場が広がっていったのだ。

その中でもキャリアのSKテレコムが2015年秋に発売したTGアンドカンパニー製「LUNA」は金属製の美しいボディーにSnapdragon 801、RAM 3GB、1300万画素カメラを搭載しながらも約4万円の価格で、補助金を受ければ実質1万円程度で買える価格でヒット商品となった。LUNAの成功は韓国の消費者に「ミッドレンジでもいい製品がある」という意識を植え付けることにも成功した。LUNA人気を受けサムスンは高品質なミッドレンジ機「Galaxy Aシリーズ」のマーケティングに力を入れるなど、市場に大きな変化が生じている。


▲LUNA以降、韓国のスマートフォン市場はミッドレンジモデルが盛り上がっている

もしパンテックが2年前に新製品で巻き返しを図ろうとしたら、「iPhone 6s Plus」や「Galaxy S7」に対抗できるハイエンドモデルが必要だっただろう。しかし2016年の韓国市場はミッドレンジモデルでもいい製品であれば消費者は一気に飛びついてくれる。IM-100も価格は44万9000ウォン(約4万1000円)と手ごろな価格で、補助金を受ければ半額以下での購入も可能だ。

ではIM-100はどんな製品なのだろう。まず本体は樹脂製で、金属やガラス素材を多用する最近のプレミアム端末の流行とは逆の質感の仕上げとなっている。しかし角をきっちりと出したデザインは安っぽさは感じられず、出来のいい音楽プレーヤーといった、上品な印象を受ける。そして背面にはIM-100のデザイン上の大きな特徴である大きめのホイールが配置されている。金属製のこのホイールは、ラジオやオーディオプレーヤーのボリュームを指先で回すアナログ的な感覚で使うことができるのだ。ホイールの回転はボリューム調整やメディアファイルの再生操作に使えるだけではなく、カメラのコントロールなどにも利用できる。


▲IM-100の特徴的はこのホイール。回転させる気分はアナログ感覚だ

スペックはSnapdragon 430、RAM2GB、ROM64GB、5.15インチフルHDディスプレイ、リア1300万画素カメラ、フロント500万画素カメラなど。この数値だけを見るとただのミッドレンジだが、背面にホイールを配置したデザインは「音楽スマートフォン」という印象を強く与えてくれる。本体サイズは69.9 x 142.7 x 7.8 mmで、片手で握って親指でのホイール操作も快適だ。

さらには外付けのスピーカーユニットがパッケージに同梱される。このスピーカーはIM-100本体のホイールと同じデザインのボリュームつまみを搭載しており、Bluetooth接続により高音質な音楽再生が可能だ。しかも上部にはQi方式の無線充電パッドを搭載しており、スピーカーの上にIM-100を置くだけで充電も出来る。メーカーによっては様々なアクセサリを多数用意しながら高い価格で別売するケースもあるが、大抵の消費者はそれらを買うことはしない。それに対してIM-100は、このアクセサリが付録して約4万5000円というなかなか魅力的な価格に抑えられている。このスピーカーの存在はIM-100の魅力を大きく引き上げるに違いない。


▲美しさだけではなく共通のデザインテイストを持ったスピーカーユニット

パンテックはこのIM-100を韓国国内で年内30万台販売する予定とのこと。6月30日の発売1週間前に受けた予約台数は7000台、発売直後の週末には1日4000台のペースで売れており、このままいけば予定台数の到達は問題ないだろう。復活第一弾の製品として合格点をつけられる成績だ。IM-100の海外販売を希望する声も聞かれるが、まずは国内市場で体力を付けることが優先事項だろう。なお海外向けには中国メーカーのODM/OEM品の展開も予定しており、海外では低コストなミッドレンジモデルの投入でブランド力の回復を図る考えのようだ。

パンテックはフィーチャーフォン時代から意欲的な製品を次々に生み出してきた。IM-100のホイールやスピーカーのように、他社にはないパンテックならでと言える製品を再び世に送り出していけば、右も左も横並びデザインになりつつあるスマートフォン市場に改めて新風を巻き起こせるかもしれない。新生パンテックの第二弾となる製品に期待するとともに、日本を含む海外市場への再参入を心待ちにしたい。


▲他社にはない差別化された製品の登場に期待したい

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