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イソギンチャクのタンパク質に人の難聴を回復させる能力を発見。マウスの細胞で効果を確認

Munenori Taniguchi
2016年8月16日, 午後05:00 in Anemone
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米ルイジアナ・ラファイエット大学(University of Louisiana at Lafayette)の研究者が、イソギンチャクの細胞に含まれるタンパク質に哺乳類の聴力を回復させる能力があるとする研究成果を発表しました。もしかすると将来、慢性的な難聴も回復できるようになるかもしれません。

イソギンチャクといえば、磯にへばりついていて触手がわさわさとしたアレ。クマノミなどの小魚と仲良しなことでも知られる無脊椎動物です。研究者はネマトステラと呼ばれるイソギンチャクの中でも原始的な一種が細胞の修復に用いるタンパク質を調べ、それがマウスその他の哺乳類がもつ音を感知細胞の修復に効果があることを発見しました。

ネマトステラの修復タンパク質に、聴力に関連する有毛細胞を数時間以上浸しておくことで、タンパク質が有毛細胞に修復に必要なカルシウムイオンの吸収を助ける分子網を形成する効果がみられたとのこと。理論的には、この効果を利用すれば難聴を治癒させることも可能と言えます。
 


P.-C. TANG, K.M. SMITH AND G.M. WATSON/JOURNAL OF EXPERIMENTAL BIOLOGY2016
 
ただ、研究者が自ら研究結果を「予備的段階」と称するように、実際にそれができるようになるまでにはまだまだ多くの問題を解決する必要があります。今後の研究では細胞レベルの研究だけでなく、生きたマウスの耳にこのタンパク質を使い、聴力の回復効果があらわれるかどうかを確認する計画だとのこと。

もし研究がうまくいくならば、聴力障害というハンデを背負って生活する人々にとって大きな光明となるかもしれません。

ちなみにイソギンチャクは原始的な動物ながら、後の進化という点では現在の魚類や鳥類、哺乳類などの脊椎動物と、タコや昆虫などの無脊椎動物へと枝分かれするところに位置しています。おもしろいことに、ネマトステラの体の一部を形成する遺伝子には、高等な脊椎動物が脳を作り出すために使う遺伝子とほぼ同じ情報が含まれているとのことです。

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