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6.8型ファブレット「ZenFone 3 Ultra」をAV機能中心にレビュー

付属イヤフォン「ZenEar S」は満点の出来。サラウンド再生には課題もあり

大和哲(Yamato Satoshi) , @deyamato
2017年1月25日, 午前09:00 in smartphone
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6.8型の大画面を備えたSIMフリースマートフォン「ZenFone 3 Ultra ZU680KL」(以下 ZenFone 3 Ultra)が2016年12月に発売された。

とかく大画面のインパクトが印象に残る機種であるが、4600mAhの内蔵バッテリーや物理ホームボタンの搭載、ハイレゾやDTS Headphone:Xへの対応など特徴的な要素も多い。今回は、本機で強化されているオーディオビジュアル(AV)機能周りを中心にレビューしてみたい。

Tru2Life+で画像はクッキリ、ビビッド再生

ZenFone 3シリーズには、オリジナル、ハイパフォーマンスな"Deluxe"、バッテリー持ちの良い低価格機"Max"など、さまざまな特徴のある端末が販売されているが、その中でも特に目立つのが、ZenFone 3 Ultraだ。

タブレット端末にせまる6.8型の画面を持ち、筐体もスマートフォンとしてはひときわ大きい。外形寸法は約18.6×9.4cmと、成人男性でも片手持ちができるギリギリの大きさだ。

本機のような大画面スマートフォンのことを、タブレットとフォン(電話)の中間的な存在という意味で「ファブレット」と呼ぶことも多い。

ファブレットというカテゴリの端末は、タブレットを使って自宅外で動画視聴や、音楽鑑賞、ゲームプレイといった使い方をするユーザの多い、特に中国やアジア諸国でも比較的裕福な地域で人気がある。スマートフォンとしての機能を持ちながら、タブレットらしい使い方もできる、というのがその理由だ。

ZenFone 3 Ultraもその辺りの市場を意識している設計であることが、スペックからも伺える。しかし、ただ安価なまま大きく、ではなく、より高い性能と高級感を出そうとしているのがZenFoneシリーズらしさだろう。

液晶パネルはIPSで、映像補正チップとしてZenFone 3シリーズの中では唯一「Tru2Life+」を搭載している。

この機種で使用の液晶ディスプレイは、製品価格から考えてもそこまでグレードの高いモノではないはずだが、動画再生、特に映画などを再生すると、ブレが少なく全体的にビビッドな印象になる補正が効いている。

おそらくTru2Life+の効果だと思うのだが、特に、青空と建物の影が同じ構図にあるような場合のコントラスト調整など、空も建物もZenFone3での表示に比べて非常に鮮明で、見やすくなっている。

上記はASUSのWebサイト(ただし、ZenFone 3 UltraではなくZenPad S 8.0 (Z580CA)のページ)にあるTru2Life+のコントラスト調整の説明図だが、このようにコントラストや彩度が高く、ビビッドな絵になる。効果を説明するうえで直感的にわかりやすいので引用した。

もともとの画面が暗めで、なおかつ圧縮されたオンライン動画配信サービスの洋画を鑑賞すると、その効果がテキメンに実感できる。

筆者がTru2Life+の効果をもっとも実感できたのは、Amazonプライムビデオで「フューリー」という戦争物の洋画を鑑賞したときだった。

戦場の火を背景にしたとき、ほかの端末ではシルエットでしか判らなかった戦車の砲塔がハッキリと視認でき、これまでの画像処理エンジンとの違いを実感できたのだ。

このほか本機のIPS液晶ディスプレイの特性について述べると、ちょっとグレアが強すぎて、室内でも動画を観るときには灯りを落とした方が良いくらいに映り込みが激しいのが難点だった。この点を除けば、鑑賞に堪えうる画面という意味ではかなり実用的な印象だ。

ハイレゾ音源鑑賞機としてはスマートフォンの中でも最優秀の部類

そして、AV機能の「A」、オーディオの方に目を移すと、こちらはもともとZenFoneシリーズで力を入れている部分だけあって、機能も装備もてんこ盛りだ。

サウンド機能「SonicMaster 3.0」をはじめ、ZenFone 3シリーズで初めて対応した新機能や、ZenPadなどタブレットで搭載されていた機能の多くがこのZenFone 3 Ultraには搭載されている。

個人的にも最も気になったのは、ZenFone 3シリーズから対応したハイレゾ対応だ。

ZenFone シリーズでは、従来から音楽再生中に音響効果を与える「Sound Wizard」という機能があり、再生ソースに合わせたイコライズを行っている。このイコライズが、無印ZenFone 3ではハイレゾ再生の際には無効化されていた。

しかし、ZenFone 3 Ultraの「Audio Wizard 3.0」では、きちんとハイレゾ楽曲にも対応しているのが嬉しい。しかもこのサウンドイコライズは、使っているイヤフォンの種類まで考慮して最適なエフェクトをかけてくれるという配慮までしてくれる。
オーディオのイコライズは、バング・アンド・オルフセンのデジタルアンプ「ICEPower」のチューニングによるもので、「音楽」「映画」「ゲーム」「音声」の4つの再生シーンにおいて、どの音の帯域を強調するかなどのパラメータを変えられるのだが、ZenFone 3 Ultraではデフォルトで自動的に再生する音を聞き分けて、そのときどきで最適と思われるモードで再生するようになっている。

また、従来にはなかった、空間をエミュレートした音響効果を付与する機能も備えている。一例としては、前面から直接音が出ているような効果や、よりワイドな音響となるような効果を用意している。

再生シーンのうちのひとつ、「音楽」モードは、基本的に低音をそれほど減衰させずにボーカルを中心に強調するようにしているのが特徴だ。また、「音声」モードでは低音をかなり絞ってボーカルの主成分をフラットにする。

もし、アニソンなどで低音を犠牲にしてでもボーカルを聴き取りたいときは、手動で音声モードに切り替えるといいだろう。実際にこのモード切替をすると音の聴こえ方がぐっと変わる。

また、プレーヤーアプリとしては「Google Play Music」と、標準のASUS製音楽アプリを用意しており、両アプリともハイレゾ楽曲の再生に対応している。標準のASUS製音楽アプリでは、ハイレゾ楽曲を含むプレイリスト中に「ハイレゾ」を示すマークが表示されるので、ハイレゾ楽曲が混在するプレイリストを聴く場合は、Google Play Musicよりも使い勝手の良さを感じた。

ただし、このハイレゾ表記は、楽曲データが「96.0kHzかつ24bit以上」でないと表示されない。これに関してASUSに質問したのだが、日本で一般的な「96.0kHzまたは24bit以上」がハイレゾという見解とは解釈が異なる、ということのようだ。


▲たとえば、上記の曲は日本の楽曲配信サイトでは全て「ハイレゾ」として販売されているものだが、一部の曲しかハイレゾマークは付いていない。


▲付属品も従来モデルからグレードアップされている。ZenFone 3ではハイレゾ対応したにもかかわらず、付属のイヤフォンがハイレゾ非対応だったりしたが、ZenFone 3 Ultraに付属のイヤフォンは、Zen ear S相当品で、ちゃんとハイレゾに対応している。

このZen ear Sは非常によく鳴ってくれるイヤフォンで、特に低音に強い。これまでのスマートフォン付属のイヤフォンとは一線を画す良品だと筆者は思う。ASUSの設計・製造によるものだが、今までのイヤフォンと異なり、日本サイト上で表記がない。COMPUTEXなど海外発表の資料によると、最終チューニングを「1More Acoustic Research Center」と著名なミキサーであるLuca Bignardi氏に依頼しているそうだ。





その反面、ちょっと残念なのは、スピーカーでの再生に関する部分。具体的にはスピーカーの位置だ。

本機ではSonic Master3.0の効果やNXPスマートアンプ、5マグネットのデュアルスピーカーの搭載によって、本体のみでもこれまで以上の音響効果が見込めるはずなのだが、スピーカーが本体底面にしか配置されておらず、一般的な横長の動画を鑑賞する際には、結果として単なるモノラルスピーカーの役割しか果たせていないのである。

ZenPadのようなタブレットで動画鑑賞をするときには、左右両方のスピーカーの音響効果で、ある程度まで立体的に聴こえるのが普通だ。ゆえに、この部分にだけは厳しい評価を下さざるをえない。


▲上のように、端末の片側に寄せてステレオスピーカーが配置されている(反対側にはスピーカーがない)。せっかくステレオなのだから、筐体上部と下部にそれぞれ分けて配置してほしかった。

確かに、ファブレットはタブレットよりも画面が小さいので、複数人で鑑賞する使い方はしない前提の設計方針なのかもしれない。しかし筆者としては、持ち運んで2、3人で見るという機会が意外とあるのではないか(例えば、カラオケルームでアニソンのMVを見るためにdアニメストアを再生してみるなど。これは実際にやった)と思っている。

ともかく、ZenFone 3 Ultraは複数人で画面を見つめる用途ではなく、基本的に1人で映像を鑑賞し、音はイヤフォンで聞くべき機械だと思った方がいいのだろう。

ほぼ日本のユーザーには関係なかった「DTS: HeadphoneX」

ところで、ZenFone 3 Ultraでは、オーディオ・ビジュアル関係の目玉機能として「DTS-Headphone:X 7.1サラウンドへの対応」が大きく謳われている。これはZenPad S 8.0などのタブレットが持っている機能と同じもので、ZenFone 3シリーズではこのUltraのみが搭載している機能である。

このDTS Headphone:Xとは、簡単に言うと、2chのイヤフォンやヘッドフォンで音楽を再生すると、前後左右にスピーカーが配置されたサラウンド環境のように視聴できるという技術だ。Blu-rayソフトなどでは最近、「DTS-Headphone:X対応」と表記された作品も見かけるようになってきた。PCゲームなどに詳しい方なら、このDTS Headphone:X機能付きのヘッドフォンで、ゲームのサウンドを疑似サラウンドで聴いたことがあるユーザーもいるかもしれない。

では、DTS Headphone:Xに関して、ZenFone3 Ultraではどのように対応しているのか。実際にASUSに質問してみたので、メーカーの見解を記しておきたい。

ASUSによれば、ZenFone 3 UltraやZenPad S 8.0がDTS Headphone:X対応を謳うのは、工場出荷状態で「端末内部にDTS Headphone:X用のデコーダーが入っている」ためで、コンテンツさえあれば、DTS headphone:X対応コンテンツがすぐに再生できる環境が整っていることを示している、とのことだ。

しかし、一般的に販売されているDTS Headphone:X対応のBlu-rayソフトは、普通はスマートフォンでは再生できない。ZenFone 3 Ultraで再生できるのは、スマートフォン用にオンラインなどで販売されているコンテンツのみということになる。

現実的には、邦楽コンテンツであれば「Music Live」、洋楽であれば「Z+」などからサラウンド対応楽曲が入手できるし、DTS Headphone:Xの再生に対応したアプリもGoogle Playからダウンロードできるが、実のところ、これらのアプリはソフトウェアのDTS Headphone:Xデコーダを内蔵しており、ほかのスマートフォンでもこのデコーダを使用した再生が可能なので、ZenFone 3 Ultraだろうがほかの機種だろうが、ひとまず再生可能な点において違いはない。

つまり、DTS(DVDなどでAC3とDTS形式両方の音声が入っていることがあるが、あのDTSだ)ファイルをスマートフォンに直接入れた場合、これを標準のプレイヤーで再生できる点が他機種とは異なる、ということになるのだそうだ。

ということは、DTSサラウンド音源データを標準音楽プレイヤーで再生でき、ヘッドフォン接続でもサラウンドで聴けることが、実質的なDTS Headphone:X対応ということになる。

この機能を利用するにはDTS形式のサラウンド音声データをどうにかして入手しないといけないのだが、筆者が確認した限りでは、現在、DTS形式でサラウンド音源を配信しているサービスが公式には存在していない。

FLAC形式のハイレゾ音源データであれば、コンバータを使ってDTS形式にはできるものの、その場合はサラウンドではない(DTS形式は内部的にトラックごとのデータを持っているが、それがFLAC音源からのコンバートでは2本分しかできない)ので、当然サラウンド再生はできない。

ようするにDVDやBlu-rayから、古い言い方をすると「ぶっこ抜く」くらいしかサラウンドデータを入手する方法がないのだ。

インターネット上には、そうやって作ったとおぼしきDTSファイルがダウンロードできるサイトも一応あるが、はっきりいえばアングラ物で、もちろん著作権者が許可を出すようなシロモノではない。

これは憶測にすぎないが、ファブレットは中国などで人気のあるカテゴリの端末ということで「そういった市場向けの機能があり売り文句もある」ということなのかもしれない。それがそのまま「直訳」されて日本向けにも使われていると考えるのがよさそうだ。

せっかく7.1チャンネルサラウンドが再生できる能力があるのだから、将来的には、たとえば、ゲーミングPC向けヘッドフォンのように、ステレオ音源からの疑似コンバートや、Blu-rayコンテンツがファブレットでも見られるようになればいいなとも思う。ぜひ次世代の端末ではそんなアップデートを期待したい。

(余談だが、筆者はDTS Headphone:Xの実力を体感するために「ガールズ&パンツァー劇場版」のBlu-layを購入したのだ。これがファブレットで再生できれば......)。

関連キーワード: Asus, dts, phablet, smartphone, SurroundSound, zenfone
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