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AMDがノートPC用Ryzenと搭載2-in-1、デスクトップ向け16コア版をプレビュー。今回も準備は順調か

薄型ノートPCでも4コア8スレッド、高級デスクトップには16コア32スレッドを提供

橋本 新義 (Shingi Hashimoto)
2017年5月31日, 午後02:20 in AMD
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台湾で開催中のComputex 2017より。大手半導体メーカーのAMDが、新型のノートPC向けAPU(GPU統合型CPU)『Ryzen Mobile』(ライゼン・モバイル)と、16コア/32スレッドの同時処理能力を備える自作PC派向けデスクトップCPU『Ryzen Threadripper』(ライゼン・スレッドリッパー)をプレビューしました。

合わせて、モバイルでは試作機となる薄型の360度回転ヒンジ搭載2-in-1機を、Threadripperは詳細な仕様もアピールしており、(今回はRyzen 7や5と同じく)どうやら出荷に向けた準備が順調であることを伺わせます。

Gallery: AMD Computex発表会 | 15 Photos





▲技術的な焦点の一つだったRyzen Mobileの半導体パッケージも公開。薄型ノートPC用としても十二分に使えそうなサイズです


▲対してこちらがRyzen Threadripper。半導体としての面積が大きく、またサーバー向けCPUの設計を流用していることもあってか、デスクトップPC向けCPUとしても大きめです


Ryzen Mobileは、文字通りRyzenのモバイルPC向けモデル。開発コード名『Raven Ridge』として呼ばれてきた、AMDが呼ぶところのAPU(GPU統合型CPU)です。搭載製品の登場予定は「2017年後半」予定。
GPU側の世代は、単体GPUとしてもまだ製品が登場していない、開発コードネーム「Vega」ベースとなります。



とくに重視するターゲットは、昨今人気の高い2-in-1(ノートPCとタブレット兼用)タイプや超軽量・薄型タイプ、そしてゲーム向けノートPC。今回の試作機もこれに従い、薄型の2-in-1、つまりタブレット兼用ノートPCとなったわけです。



性能に関しては、現行のモバイルPC向け製品となる第7世代APU(開発コードBristol Ridge)比で「CPU性能が50%、GPU性能が40%向上しながら、消費電力は50%低くなる」としています。

ここでポイントとなるのが、消費電力に関して、よく使われる「電力効率」ではなく、単純電力(Power)のみを掲げている点。電力効率の場合は「同じ消費電力でも性能さえ向上すれば上げられる」値ですが、電力のみの値では性能に関係なく、純粋に消費電力のみが問われます。

これだけの強烈な性能向上の要因は、CPU部、GPU部ともに内部設計の世代が大幅に進歩した点、さらには半導体としての性能指標となる「製造プロセス」の世代が14nm FinFET(三次元構造半導体)と、第7世代APUの28nmから大幅に進歩したことなどによります。

とくに消費電力低下は、製造プロセスの進歩が大きく起因します。第7世代APUで使われる28nm世代プロセスが採用されたのは2014年1月に発売されたモデルからのため、3年分の進歩が一気に投入されることとなります。


▲内容が見にくいですが、CPU部が4コア8スレッドであることを示すために、右上にタスクマネージャーのCPU負荷グラフを表示しています


また、今回公開された薄型ノートPCで使われたモデル(のCPU部)は、4コア8スレッドである点もアナウンスされました。このクラスでの対抗となるインテルのCore iシリーズにおいては、4コア8スレッド版は2017年末から2018年初頭に登場予定との噂こそあるものの、公式にはアナウンスされていない状態。

Ryzenの基本設計を継承する以上、コア当たりの性能でもCore iと比べて大きく引けを取ることはないと想像されるところ。元からAMDが有利だったGPU性能と合わせて、ノートPC向けでもインテルの性能を上回る可能性さえ大いにあります。

こうした見方からRyzen Mobileは、これまではほとんど見なかった薄型・軽量ノートPCでもAMD製CPUも採用される土壌を作れるか? と、デスクトップ版Ryzen以上に注目されていた製品でした。


▲タブレット状態としたところ。ディスプレイパネルの左右ベゼルがかなり狭めなど、そのまま製品化されても違和感のないタイプの設計です


今回AMDが公開した試作機が、実際にかなりの薄型、しかも2-in-1だった点、そして半導体パッケージが十二分に小さなサイズだった点、そしてデルやHP、ASUSといった大手PCメーカーがデスクトップでRyzen搭載機を発表した点などから、「薄型ノートでもRyzen旋風が」という事態も、十分あり得そうな雰囲気になりつつあります。

ともすれば、ここ数年噂が出ては消えている「アップル製品へのAPU採用」も(今回は)あり得そうなムードです(アップルはもともと他メーカーよりGPU性能を重視する傾向にあり、その点ではAMD製品は有利にある......などの事情があります。が、一方で消費電力がインテル製品に比べて大きく、薄型化の進むアップル製ノートPCでは放熱やバッテリー駆動時間で不利という事情もありました)。



さて、もう一方の雄であるRyzen Threadripper(Ryzen TR)に関しては、半導体パッケージが公開された点(と、Threadripperが本当にシリーズ名であった点)、そして搭載されるPCI Expressのレーン数が、デスクトップPC向けとしても極端なほどに多い64本であると発表された点などがトピック。

一方で、発売時期は以前より「2017年夏」とされていたことから、今回は正式な時期や価格が公開されるのでは? という期待がありましたが、そちらはアップデートされませんでした。

気になるのは、ライバルとなるインテルが昨日発表したCore i9(をはじめとするXシリーズ)との勝負でしょう。

インテル側は、最上位の『Core i9-7980XE』でこそ18コア/36スレッドと後出し的にコア数で上回りますが、一つ下となるi9-7960XはRyzen TRと同じく16コア/32スレッド。
またPCI Expressのレーン数などでも(インテル側はデータを伏せていますが)Ryzen TRが有利と見られています。

噂のCore i9シリーズ5モデルをインテルが発表。12から18コアを備えるデスクトップ向け最上位CPU

ただし、Ryzen TRの価格に関してはまだ不明。Ryzen 7での実績からTRが大きく有利とは思いますが、実際の人気はRyzen TRのモデル構成と価格で大きく左右されることとなりそうです。


▲16コア/32スレッドの高速性を示すべく、Blenderによるレンダリングデモも公開されています

なお、Threadripper(スレッドリッパー)という聞き慣れないであろう名称に関しては「より糸をほどくための道具」に由来。もともとスレッドという呼称は、プログラムの実行単位を糸に例えた点から来ています。

このあたりから考えると、Threadripperは「多数のスレッドをほどいて、効率的に実行するプロセッサ」といったイメージから付けられたものと思われます。



なお同発表会では、合わせてZenアーキテクチャーを採用するデータセンター向け32コアCPU『EPYC』(エピック)が6月20日から出荷される点や、ASUSが初のRyzen 7搭載ノートPCとして発表した『ROG Strix GL702ZC』に関しても紹介されています。

ROG Strix GL702ZCは、17.3インチ画面を搭載する大型ゲーム用ノートPC。CPUとしてRyzen 7 1700やRyzen 5 1600、そして未発表のRyzen 3 1200を搭載。形状などは不明ですが、ASUS側はデスクトップ版と同じシリコンダイであると紹介しています。
またGPUとしてはAMDの『Radeon RX 580』を採用するなど、AMD派にとっては注目の機種となりそうです。



このように今回のAMD発表会は、期待の製品である(そして既に対インテルの面では大きな効果を見せている)Ryzen Threadripperと、こちらも期待のRyzen Mobileに関して、出荷に向けた動きがどうやら好調である点を伺わせる内容でした。

とくにRyzen Mobileでは、AMD側の試作機が薄型ノートPCであり、しかも2-in-1タイプであった点が衝撃的です。

これは古くからのAMDファンからすれば「Ryzen Mobileが公称通りの消費電力であれば可能かもしれないが、従来のAMDからするとRyzen 7や5の性能があってでさえ本当にできるかいささか不安のあった」的な存在。

しかしAMD側の試作機とはいえ、実際に設計が可能となれば、上述したように「これは本当に、薄型ノートPCなどでもRyzen旋風が来るかも」と希望が持てるもの。最終的には当然ながら正式発表を待たなければならないとはいえ、すでにインテルが「動いた」高級デスクトップ市場に加え、ノートPCでもかなり期待できそうなムードになってきた、と呼べそうです。


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