iPhoneは10年間でどう変わったか。「電話を再発明」した初代、日本初登場だった3GとiPhone Xを比較
次の10年は、どんなんかな~
スティーブ・ジョブズが初代iPhoneを発表したのは2007年1月のことでした。それまでにもスマートフォンと呼ばれる携帯電話は存在したものの、iPhoneの登場がいわゆる "ケータイ" から "スマートフォン" へと市場の変化を促したことは言うまでもありません。この記事では、初代iPhone、そして日本で初めて発売されたiPhone 3Gと、10周年記念モデルとして登場したiPhone Xを見比べてみました。
2007年 初代iPhone

前面にあるのはホームボタンひとつ、あとはほぼ(当時としては)大きなディスプレイだけというそのデザインは、非常に未来的に見えました。ディスプレイには当時は一般的でなかったマルチタッチパネルを採用し、グラフィカルなUIが指先の動きに合わせて滑らかにスクロールしたり拡大縮小するさまは、それまでの携帯電話やPDAを使っていた人たちに衝撃を与えたはずです。
ジョブズは3つの先進的センサーとして加速度、近接、照度というの3つセンサーを紹介。さらに、加速度センサーでiPhoneの向きによって画面の縦横を切り替え、近接センサーが電話で話すときにタッチスクリーンを無効化し、照度センサーは環境に応じて画面の明るさを自動調節すると説明しました。そのしくみは、それ以後のスマートフォンの基本になっています。
2008年 iPhone 3G

iPhone 3Gは当時の高速回線である3Gネットワークへの対応が初代との大きな差。また初代iPhoneでは当初ビルトインアプリしか用意されませんでしたが、iPhone OS 2.0を搭載するiPhone 3Gの登場とともにApp Storeがオープンし、開発者がiPhone向けに自由にアプリを開発、販売できる環境が整えられました。
ただ、iPhone 3Gにはスクリーンにホコリが入ってしまったり、iPodと同じ30pinドックコネクターの角にひび割れが入ってしまう問題もありました。
2009~2016年

iPhone 5ではディスプレイサイズがそれまでの3.5インチから4インチへと拡大するとともに、iPodと共通だった30pinドックコネクタをLightningコネクターへと変更。iPhone 6ではさらに4.7インチへ画面が大きくなる一方、5.5インチフルHDディスプレイを搭載するiPhone 6 Plusが登場しました。そしてiPhone 7 ではカメラ機能を大幅に強化し、Plusモデルでは背面カメラを広角と望遠の組み合わせでデュアル化、光学ズーム機能を搭載しました。また3.5mmイヤホン端子が姿を消したことが大きな話題となりました。、
2017年 iPhone X

背面カメラはiPhone 7のデュアルカメラが横配列だったのに対し、iPhone Xでは縦配列に。そしてQi対応のワイヤレス充電機能を搭載したほか、背面はiPhone 4s以来のガラス製になりました。
初代iPhone、iPhone 3G、iPhone Xの仕様
![]() iPhone X | ![]() iPhone 3G | ![]() iPhone | |
---|---|---|---|
出荷時OS | iOS 11 | iPhone OS 2.0 | OS X iPhone(iPhone OS 1.0) |
プロセッサ | A11 Bionic + ニューラルエンジン M11モーションコプロセッサ | ARM 1176JZ(F)-S | ARM 1176JZ(F)-S |
ディスプレイ | 5.8インチSuper Retina HD OLED Multi Touch True Tone ディスプレイ 1000000:1(標準) 最大輝度 625cd/m2 (標準) 広色域対応(P3) | 3.5インチTFT LCD | 3.5インチTFT LCD |
画面機能 | 3D Touch | マルチタッチ対応 | マルチタッチ対応 |
画面解像度 | 2436 x 1125 | 320 x 480 | 320 x 480 |
PPI | 458 | 163 | 163 |
生体認証 | Face ID (Apple Pay対応) | - | - |
ストレージ | 64 / 256GB | 8 / 16GB | 4 / 8GB (16GB:2008年) |
背面カメラ | 12MP iSightカメラ x2 広角:f1.8 望遠:f2.4 光学手ぶれ補正 クアッドLED True Toneフラッシュとスローシンクロ 光学ズーム 10倍デジタルズーム ポートレートライティング(ベータ版) | 2MP カメラ | 2MP カメラ |
動画撮影 | 4K:24/30/60fps 1080p:30/60fps 720p:30fps | 非対応 | 非対応 |
前面カメラ | 7MP True Depthカメラ ポートレートモード ポートレートライティング(ベータ版) Retina Flash 広色域キャプチャ 自動手ぶれ補正 | - | - |
WiFi | 802.11a/b/g/n/ac | 802.11b/g | 802.11b/g |
Bluetooth | 5.0 | 2.0 | 2.0 |
NFC | リーダーモード対応FeliCa対応 | - | - |
位置情報 | Assisted GPS、GLONASS、Galileo、QZSS デジタルコンパス | A-GPS /デジタルコンパス | デジタルコンパス |
センサー | 3軸ジャイロ/加速度 /近接/環境光/気圧 | 3軸ジャイロ/加速度 /近接/環境光 | 3軸ジャイロ/加速度 /近接/環境光 |
防水防塵 | IP67(耐塵防浸型) | - | - |
本体色 | シルバー、スペースグレイ | ブラック/ホワイト | シルバー |
バッテリー | 通話 21時間 インターネット通信 最大12時間 ワイヤレス動画再生 最大13時間 ワイヤレス音楽再生 最大60時間 30分で最大50%充電 | 2G通話 10時間 3G通話 8時間 データ通信 6時間 音楽再生 24時間 動画再生 7時間 連続待受 300時間 | 2G通話 8時間 データ通信 6時間 音楽再生 24時間 動画再生 7時間 連続待受 250時間 |
重量 | 174g | 133g | 135g |
寸法 | 143.6 x 70.9 x 7.7mm | 115.5 x 62.1 x 12.3mm | 115 x 61 x 11.6mm |
税別価格 | (SIMフリー版) 64GB 11万2800円 256GB 12万9800円 | (ソフトバンク発売時) 8GB 一括 6万9120円 実質 2万3040円 256GB 一括 8万640円 実質 3万4560円 | 日本発売なし 4GB 499ドル (当時レート約6万円) 8GB 599ドル (当時レート約7万円) |
ちなみに...
2007~2008年のiPhone以外の携帯電話市場は今から思えばガラケー最盛期といえる時期でした。携帯メーカー各社が次々と個性的な携帯電話を出していた時期で、その多くは折りたたみ式。しかし一部スライド式も人気を集めていました。よく売れていたのはパナソニックのP904iやP905i(ドコモ)、シャープのW52SH(au)などで、テレビやデジカメ機能を強化してブランド名を冠したWoooケータイやEXILIMケータイなども発売されていました。なかでも異彩を放ったのはシャープが発売した913SH TYPE-CHARこと「シャア専用ケータイ」。これは充電台がシャア専用ザクの頭部になっているという、マニア垂涎のモデルでした。また、折りたたみ式携帯電話がロボットに変形する「フォンブレイバー」ケータイ Softbank 815T PBも2008年に発売されています。こちらは当時放送していた特撮ドラマ「ケータイ捜査官7」に登場するキャラクターを実物化したものでした。

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