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「傾けつつ廻す」操作で作業効率アップ。クリエイター向け入力デバイス『O2』が10月25日よりテスト販売

ヤケクソ感さえある設定自由度の高さも見所です

橋本 新義 (Shingi Hashimoto)
2017年10月24日, 午後06:35 in InputDevice
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Surface Dialやロジクールのキーボード『Craft』など、にわかに活気づくクリエイター向けの入力デバイスに、注目の新顔が登場します。ブレインマジックというベンチャー企業が発表した『O2』(オーツー)です。

10月25日午前10時より、クラウドファンディングMakuakeにてテスト販売が開始。製品入手可能な最廉価コースは2万7800円(税込)からとなります。初回販売予定台数は合計195台。

入力デバイスとしての特徴は、アナログジョイスティック+ボタン+ダイヤル兼用部品に8方向ボタンという、複数の入力系を1台で兼ね備えるハードウェアであること。さらに設定アプリのカスタマイズ自由度が非常に高い点なども挙げられます。特殊なデバイスでもあるため、続きでガッツリ解説します。

Gallery: ブレインマジック 映像クリエイター向け入力デバイス O2(オーツー) | 26 Photos



まずは基本的な仕様から紹介しましょう。
動作確認OS(設定アプリまで含めた動作)はmacOS XとWindows 10/8/7。macOS XとWin 10を「推奨OS」としています。接続はUSB(ケーブル脱着式)で、電源はUSBバスパワーのためACアダプタなどは不要。O2側の端子はいわゆるマイクロBタイプのため、汎用性に優れます。



本体サイズは直径60mm×高さ68mm(直径はフラットリングで測定)、底面からフラットリングまでの高さは33mm、ダイヤル部の直径は28mm。最軽量時の重量は130gです(重りによる高さと重量調整に対応します)。



さて、本機の最大の特徴であり、メインとなる入力部品は『オービタルエンジン』と名付けられたスティック+ダイヤルデバイスです。この部品は「スティックをどの方向に傾けるかで機能を選択し、傾けつつダイヤルの回転で増減を指示、スティックを押して決定」という操作を可能とします



たとえばAdobe Photoshopなどの場合「右方向にスティックを倒して拡大・縮小操作を選択。ダイヤルの回転で表示倍率を調整、押して設定。続いてスティックを下方向にしてブラシサイズ選択モードに入り、ダイヤルで大きさを調整」といった操作がスムーズに行えるようになるわけです(もちろん慣れは必要ですが)。



これらのメニューは、実行前に画面上にオーバーレイ表示がされるため、それを見ながら操作可能。もちろん慣れた際には表示を消すこともOKです。さらに機能を切り替えた際には、内蔵されたバイブレーションモーターにより振動でも動作が伝わるため、より確実な判別が可能です。



また、ハードウェア的にはアナログスティックとなっているため、ジョイスティックやマウスエミュレーションも可能。付属の設定アプリで「ジョイスティックモード」「マウスモード」を選択することで、8方向ジョイスティックやポインティングデバイスとしての運用も可能としています。



そしてこれを補助するのが、スティック周囲に配置された8方向ボタン『フラットリング』です。このボタンのポイントは「カスタマイズしたサブメニューを表示する」機能が割り当てられる点。



たとえば斜め右上を押すと、手のひらツールやズーム、回転といったメニューを「ビュー操作系」として表示し、左を押すとスポイトや鉛筆、絵筆ブラシを「ツール系」として表示......といった使い方が可能になります。



そして使い勝手を高めているのが、サブメニューの表示方式。ペンタブレットに適した「フリック」(最大8方向まで割り当てられ、ペンを払うと選択)と、マウスやタッチパッドに適した「リスト」(リスト形式での列挙)が選べます。

こうした表示とすることで、画面上で機能の種別を確認でき、また実行時は左右の手にワンアクションずつを振ることで、リズミカルに機能選択が可能になるという、気の利いた操作系となっているわけです。
とくにペンタブレットに慣れた方であれば、画面上のメニューをフリックして選択するという操作方法はピンと来るところではないでしょうか。

そしてフラットリングのボタンはメニュー表示だけでなく、単なるボタンとしての設定も可能。ショートカットやShift、Ctrlキーといった使用頻度の高いキーの割り付けやマクロの実行といった、単機能ボタンとしても使えます。



そして底面側に設置された円形LEDが『グロウリング』。これは単に発光するだけではなく、設定プロファイルの目印として色が変更される、動作確認としての機能も備えたライト。表示色は昨今のゲーミングデバイス的な、RGBのフルカラーから選択可能な仕様です。



Adobe Photoshop向け設定(プロファイル)では青に、Illustrator向けでは黄色に......と色分けすることで、「あえて想定されたアプリ以外で設定を使っている」場合なども、本体を見るだけで確認できます。



そして本機の多機能性を支えるのが、幅広いカスタマイズが可能な設定アプリです。設定画面の一部スライドショーに掲載しましたが、これらを確認いただくと、設定の可能性がかなり広いことが掴めるはずです。



例えば割り当て可能な機能に関しては、キーボードからのキーストローク記録と再生、プログラムマクロ登録と実効、改行などにも対応したテキスト入力「テキストブロック」など、クリエイター向け入力デバイスとして要求される機能は一通り搭載。



さらに気の利いた機能としては「キーローテーション」が挙げられます。これは例えば、ダイヤル操作時に、キー入力を「1、2、3......」などと入力しておくと、割り当て先の操作によりキー入力が再現されるというもの。

この機能により、Photoshopのブラシ濃度調整やレイヤー不透明度変更など「キーボードに増減操作が割り振られていないが、ダイヤルの回転に割り付けたい機能」を、動作の違和感を抑えて割り当てられるというわけです。



さらに標準設定も、ジョイスティック部やスイッチの感度、バイブレーターの感度やメニューの表示時間、さらには本体の設置角度の設定(画面上メニュー表示とのずれをなくせます)など、細かなところまでに配慮された構成です。

なお、標準で対応する(推奨プロファイルが用意される)アプリは、AdobeのPhotoshopやIllustrator、LightroomやIndesign、Premireなどを筆頭に、SYSTEMAXのペイントツールSAIやセルシスのCLIP STUDIO PAINT、さらにAvid社製品など。こちらも比較的多くをフォローします。

さて、開発企業であるブレインマジックについても紹介しましょう。同社はIT関連の大学の運営で知られるデジタルハリウッド株式会社(デジハリ)から生まれた「大学院発ハード系ベンチャー」。つまり、クリエイター向けデバイスとは親和性の高い土壌にある企業というわけです。

実際にデジハリもO2に関しては共同販売を行なうほか、20台を学校に導入する予定とのこと。

また、今回のテスト販売以降の予定に関しては、投資者からのフィードバックで完成度をさらに高めて、2018年にはKickstarterにて海外向けにクラウドファンディングを実施、続いて2018年中に日本での一般販売を実施したいとの意向が示されています。

実際にハードウェア側としてはさらなる拡張を見据えたものとなっており、たとえば内蔵フラッシュメモリによる自前での設定記録なども可能な仕様(現状ではアプリレイヤーでの保存に留まります)。

またバイブレーションモーターも、ハードウェア的にはいわゆるハプティクス(触感)デバイスに類する、複雑な振動が表現可能な仕様です(このあたりは特許の関連もあり、機能を制限しているそう)。

さらにユーザーからのフィードバックによっては、ジョイスティックの方向設定に対し、8方向以上の増加も検討中とのこと。ただしあまりに方向数を増やしすぎると操作性が下がるため「増加した場合でも12方向程度になる」とのコメントがありました。


     



このようにO2は、「傾けて回せる」複合入力デバイスと、階層的なメニュー表示ができる8方向ボタンというユニークな操作系により、他の(いわゆる)左手デバイスと比較しても、非常に多彩な機能を割り当てられる点が特徴。

イラストレーターや漫画家などに向けて「ペンタブレットとO2のみですべての作業が可能」ともアピールしていますが、これだけ多機能なデバイスともなれば、それだけの操作代替も十分カバーできるポテンシャルがあります。

質疑応答では、キーボードを使った場合との作業効率の向上率について質問が出ましたが、それに対する回答は「最大で400%」と大きなものでしたが、このあたりも数値だけではなさそうです。

常に効率アップを求め、またそうしているうちに入力デバイスの活用が趣味を兼ねてしまっているという映像クリエイターの方々(筆者の周りを見るに付け、決して少なくはないはずです)にとっては、かなり気になる製品と呼べるのではないでしょうか。

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