ワインをもっと安く安全にするブドウ、フランスで開発。異種交配でカビに強く、年15回の農薬散布が1回に
味は...これから
フランスで栽培されるワイン用のブドウは、年間15回もの農薬散布によって害虫や病気から守られています。そしてそれはブドウの価格を押し上げ、さらに残留農薬の危険性という弊害もともないます。フランス国立農学研究所(INRA)の研究者は、カビによる腐敗を起こしにくい4種のブドウ品種の栽培許可を獲得し、それらの栽培において年間の農薬散布を1回ないし2回に引き下げることに成功しました。
このブドウは遺伝子操作によって作り出されたのではなく、世界中のブドウの遺伝子を解析することで腐敗に強い遺伝子を同定し、その特徴をもつ品種を交配させる品種改良で生み出されました。また研究チームは交配の過程で、風味にも注意を払い、必要以上の酸味やあまり望ましくない香り成分を取り除いていったとのこと。

ただ、農薬の使用量が減ればその分コストも削減することになり、有害な残留物質が少なくなるうえ、農場の周囲環境への影響も少なくなると考えられます。将来的に味は向上するものとして、仮にいまのままでも、健康や環境に気を使う(あまり味にこだわらない)愛飲家には、もしかすると十分に魅力的なワインになりえるかもしれません。
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