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ソフトウェアの巨人Googleが、なぜハードに力を入れるのか(佐野正弘)

Pixel 4シリーズ販売開始

佐野正弘(Masahiro Sano)
2019年10月28日, 午後01:30 in Business
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2019年10月16日、グーグルは日本で「Pixel 4」シリーズなどのスマートフォンや、スマートホームデバイスの「Nest」シリーズなど、ハードウェアの新製品を日本で投入することを発表しました。Pixel 4などは2019年10月24日より販売が開始されていることなので、記事掲載時には既に購入された方もいるかもしれません。

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▲2019年10月16日に実施されたグーグルのハードウェア新製品発表会より。日本市場に向けても「Pixel 4」や「Nest Hub Max」など多くの新製品を投入するという

とはいうものの、グーグルは元々インターネット検索から事業を広げてきており、インターネットサービスやソフトウェアの会社というイメージが強いのも事実です。にもかかわらず、現在ではこれだけの自社製ハードウェアのラインアップを揃え、コンシューマー向けの販売を拡大しようとしているのには不思議な印象があります。

過去を振り返ると、グーグルはこれまでにも何度か、自社でハードウェア開発を手掛けたことがあります。特に日本で思い起こされるのは、Pixelシリーズ以前に提供されていたスマートフォンやタブレットの「Nexus」シリーズではないでしょうか。実際スマートフォンの「Nexus 5」やタブレットの「Nexus 7」などは、コストパフォーマンスが非常に高いことで人気を獲得していました。

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▲グーグルはPixelシリーズの以前にも、さまざまなメーカーと共同で「Nexus」シリーズとしてスマートフォンやタブレットを開発していた

とはいうものの、Nexusシリーズはどちらかといえば余計なアプリが入っていないピュアなAndroidが利用でき、OSのアップデートが保証されていることが大きな特徴となっており、アプリ開発者に向けたAndroidのリファレンスモデルという印象が強いものでした。それゆえ必ずしも、一般消費者のニーズを満たす機能やアプリの搭載に注力していた訳ではありませんでした。

ですがNexusシリーズからPixelシリーズに移行してからは、カメラ性能を強化するなど一般消費者向けを強く意識した機能にこだわるようになっています。それだけ、グーグルがハードウェアへの注力度合いを大きく高めている様子を見て取ることができるでしょう。

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▲Pixel 4シリーズはPixelシリーズで初めてデュアルカメラ機構を採用、AI技術と組み合わせることで画質を落とすことなく最大8倍のズームができる仕組みを備えるなど、カメラ機能の強化が特徴の1つとなっている

しかしなぜ、グーグルはハードウェアにそれだけ力を注ぐようになったのでしょうか。その理由はAIとにあると筆者は考えます。

グーグルはここ数年来、機械学習などAIに関する技術を活用したサービスの開拓に力を注いでいますが、その代表的な存在となっているのが音声アシスタントの「Googleアシスタント」です。話しかけられた言葉の内容を解釈して適切な答えを見つけ、音声で返すというGoogleアシスタントの実現によって、ある意味人間とコンピューターが直接対話できるようになった訳です。

そしてもう1つ、AI技術を活用したグーグルの象徴的なサービスといえるのが「Googleレンズ」です。Googleレンズもまた、AI技術によってスマートフォンのカメラで映し出したモノを認識し、それが何であるか調べたり、文字であればテキスト化して翻訳したりしてくれるという機能を実現しているのです。

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▲カメラに映し出したモノを自動解析し、それが何かを教えてくれる「Googleレンズ」。手書きの文字を読み取ってテキストにし、さらに翻訳してくれるなど高度な機能も備える

そしてこれらのサービス共通しているのが、人間の声や実際のモノなど、現実世界と直接接点を持つサービスであるということです。従来のグーグルのサービスを利用するには、キーボードやマウス、スマートフォンであればタッチパネルなど何らかのインターフェースを通じて、人間がコンピューターに意思を伝える努力が必要でした。ですがAI技術の台頭によって、音声や映像といった形で現実世界の情報をコンピューターが直接取得し、解釈できるようになった訳です。

このことはグーグルにとって、ある意味インターネットというコンピューター空間に閉じたサービスだけでなく、現実世界と直接連携したサービスを提供できるという大きなチャンスを得たことにもなります。ですがその接点を持つためにはソフトウェア技術だけでは足りず、現実世界と実際に接するため何らかの機器を用意する必要があることから、グーグルはハードウェア開発に力を入れるようになったといえるでしょう。

グーグルがハードウェアに力を入れる動きを見せたのは、同社の子会社が「AlphaGo」で注目され、オープンソースの機械学習ライブラリ「TensorFlow」を提供するなど、同社がAI技術で注目された2015年前後と見られています。実際2014年には、AI技術を活用したサーモスタット(温度調節機)などを提供していた米国のNestを買収。同社が現在のスマートホーム機器のブランドへとつながっています。

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▲現在は「Nest Hub Max」などスマートホームデバイスのブランドとなったNestだが、元々はグーグルが買収した企業のブランド名だった

また2016年には初代「Pixel」シリーズの最初のスマートフォンと、初代「Google Home」を発表しています。日本でGoogle Homeが投入されたのは2017年、3代目の「Pixel 3」「Pixel 3 XL」が投入されたのは2018年とタイムラグがあるので実感が沸きにくいのですが、一般的にハードウェアの開発から市場に登場するまで1、2年くらいの年数がかかることを考えれば、2014〜2015年頃からAI技術を活用したハードウェア開発に力を入れる動きを進めていたと見ることができそうです。

加えてグーグルは2018年に、Pixelシリーズを共同開発していた台湾のHTCからスマートフォン事業の一部を買収。自社のソフトウェアとAI技術を一体化させ、現実世界と連携しやすいハードウェアの開発に一層力を入れようとしている様子を見て取ることができます。

とはいえ、グーグルは元々ハードウェアメーカーではないので、ハード開発や販売に関するノウハウが乏しいのも事実。それゆえアップルなどハードウェアに長年の実績を持つ企業と比べると、その知名度の割にはまだ大きな支持を得るには至っていないようです。事実日本の販売動向を見ても、Pixel 3シリーズを販売していた携帯電話会社のうち、NTTドコモはPixel 4シリーズの販売を見送ったようで、同シリーズを扱うのはソフトバンクのみと販路が狭まってしまっています。

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▲NTTドコモは2018年には「Pixel 3」シリーズを販売したが、「Pixel 4」シリーズの販売はしていない

グーグルがインターネットやAI技術で高い技術力を持つのは確かですが、ハードウェアの販売を拡大するにはそれだけでは足りず、ブランドの確立やデザイントレンドのキャッチアップなど、機能面以外にもさまざまな要素が求められます。そうした部分にどこまで力を注ぐことができるかが、グーグルのハードウェアに対する本気度を見る上では重要になってくるといえそうです。



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