1億画素カメラの時代に「カメラ無しスマホ」を出すLAVAの狙いは?SNS疲れに最適か

セキュリティーを気にする人やミニマリストにも向いている

山根博士 (Yasuhiro Yamane)
山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2019年12月27日, 午後 04:00 in cellphones
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スマホのカメラはもはや3つでも不十分、4つのカメラを搭載するスマホが急増しています。全世界で2019年に発売・発表されたスマートフォンのうち、クワッドカメラを搭載するモデルは50機種以上もありました。たとえば2019年12月に日本参入したシャオミの「Mi Note 10」は実に5カメラを搭載します。

スマートフォンの小さいボディーにデジカメのような高倍率ズームレンズを搭載することは難しく、カメラ性能を高めるために今後も搭載されるレンズの数は増えていくでしょう。

しかしカメラ機能がスマートフォンの最大の特徴となりつつある今の時代に、あえてカメラの無いモデルを出しているメーカーもあります。まあカメラ無しスマートフォンは日本などでもビジネス用途にいくつか製品が出てきましたが、インドなどでスマートフォンを展開するLAVA Mobilesは一般消費者向けにカメラ無しスマートフォンを販売しています。

もちろんターゲットユーザーはスマートフォンをバリバリ使いこなす層ではありません。たとえばLAVAの「iris 88s」のスペックはSoCがMT6739WW、RAM2GB、ROM16GB、価格は1万円ちょっと。完全なるエントリー向けです。なおiris=アイリスとは「虹彩」の意味ですから、LAVAのirisシリーズは何かしら「目」、そしてカメラ機能を強化したモデルです。ベースモデルの「iris 88」はフロントカメラで顔認証に対応します。一方、あえてカメラを搭載しないことをアピールするために、irisシリーズの一員としてこのカメラレスフォンを出したのでしょう。

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実はiris 88sにはGPSも搭載されていません。そのため端末のトラッキングも不可能(セルラーの位置情報で把握はできるでしょうが)。以前ドバイで行われた展示会(GITEX2019)でLAVAの関係者に話を聞いたところ、「カメラが無いことで不要な写真撮影やウィルスによるリモート撮影を防止できまるし、端末の位置情報もほぼ隠せる。プライバシーを保ちたい人たちに売れている」とのこと。

たしかにスマートフォンをメッセンジャー代わりとして使い、テキストベースでやりとりするだけなら、カメラは必要ありません。相手から送ってきた写真を見るだけならば、カメラ無しスマートフォンでも十分使えるでしょう。

Lavaは大画面モデルにもカメラ無しを用意。5.71インチディスプレイの「R5 Play」の派生モデルとしてカメラ無しモデル「R5s Play」も提供。iris 88sが好評だったことから、よりスタイリッシュで「今っぽい」製品にもカメラ無しモデルを投入するとのことです。

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なお同社のWEBページを見るとフロントカメラがあるように見えるのですが、カタログには「no camera」と明記されています。もしかすると「LG G8X ThinQ」のデュアルスクリーンケースのディスプレイのように、水滴型ノッチディスプレイをそのまま流用したのでカメラらしき穴が見えるだけ、なのでしょう。LAVA関係者もカメラ非搭載を強くアピールしていました。

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ではカメラ無しモデルは今後広がりを見せるでしょうか? たとえば子供や年配者向け端末ならどうでしょう。カメラが無くても不便はないようですが、緊急時のその場の環境を伝えるためにもカメラはあったほうがいいでしょう。例えば中国で普及している子供向けのスマートウォッチは4G搭載で単体通信できることはもちろん、カメラ搭載が一般的です。これも緊急時のセキュリティーを考えてのことです。
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一方、機能を絞った端末ならばカメラ無しはありかもしれません。シャオミが出資する多親科技の「Qin 2」はフロントカメラの無いスリムな小型スマートフォン。音声AIによるスマートライフ向けの製品であり、シャオミの家電コントロールもできます。背面にカメラはあるものの、スマート家電に貼ってあるQRコードを読み取ってアプリに登録するために搭載しているのでしょう。500万画素と画素数が低いのはそんな理由だからでしょう。

しかしスマート家電専用にスマートフォンを買うというのもあまり現実味はないかもしれません。シャオミがこのQin 2を日本に投入する、なんて動きがあったら面白いのですけどね。それよりもむしろ現実味があるのは「非・SNS用途」としてのスマートフォンかもしれません。
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ここでいう「非・SNS」とはSNSアプリを入れないのではなく、Lineを入れてもメッセージのやりとりにしかつかわず、FacebookやTwitter、Instagramでも積極的に写真をアップしないということ。すなわち「いいね」欲しさに毎日必死にスマートフォンで写真撮影をしてそれをアップするという、SNS疲れの人に対してならカメラ無しスマートフォンがあってもいいかもしれません。

あるいはミニマリスト向けとしてのカメラ無しスマートフォンはありかもしれません。そういえばPunkt.のデザインフィーチャーフォン「MP02」はAndroidベースですがカメラはありません。

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ということで、カメラの無いスマートフォンはおそらく一定の需要はあると思われます。2020年はもしかすると意外なメーカーから出てくるかもしれません。カメラが無くても使いたい、そう思わせるような魅力的な製品に期待したいものです。

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