「ビジネスの秘密を明かしている」アップルが元従業員の著書に販売中止を要求

逆に本の宣伝になるとの声も

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年02月21日, 午前 08:00 in apple
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App Store
アップルが元従業員の書いた本につき、「かなりの経済的価値のある」「ビジネスの秘密」を明かしているとして、出版社および著者に販売中止を求める書簡を送ったと報じられています。この『App Store Confidential(App Storeの秘密)』なる本は今週、ドイツにて発売されたものです。著者のTom Sadowski氏は2019年11月までドイツ、オーストリアおよびスイスでのApp Storeを主導した人物であり、書籍の公式説明では「ストア内のアプリはどのように成功し、年間最優秀アプリになるのか」といった個人的経験が書かれているとされています。

ドイツのニュースサイトFocusによれば、アップルの弁護士はSadowski氏と出版社に「本の販売を中止し」「すでに流通している書籍の全てを回収し、本の原稿を全て破棄」するように申し渡しているとのことです。著者と出版社はこれに応じず、同意の署名をしていないと伝えられています。

さらにアップルは「わが社は長年、無料の報道機関を支持し、あらゆる種類の著者を支援してきました」としつつ、Sadowski氏が「すべての従業員に平等かつ公平に適用されるべき」雇用契約に違反した」との声明を発表しています。

この本は記事執筆時点ではドイツ語版のみ販売されていますが、実際に本を読んだ人物は、上記のアップルの主張に対して「完全に理解できるものではない」との感想を述べています。その感想をまとめると、その内容は同僚に対する人物評などいたって平凡なもので、ビジネスの詳細は言及されず、企業秘密は書かれていない......といったところです。

そのため著者は逆に、本の販売におけるアップルの脅威から利益を受ける可能性が高いーーつまりアップルが敵視していると話題になることで、かえって本の売上げが伸びそうだと、皮肉が示唆されています。

アップルの秘密主義は広く知られていますが、それは元従業員らもしっかりと承知して、守秘義務に違反するような内容は書こうとしないはず。あまりに秘密を守ることに励みすぎると、逆に世間の注目が集まってしまうのかもしれません。

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