PS5のGPUは最大10.3TFLOPS、SSDは超高速+市販品で拡張可。詳細スペック判明

3Dオーディオが目玉

Ittousai
Ittousai , @Ittousai_ej
2020年03月19日, 午前 08:16 in ps5
0シェア


予告どおり、ソニーがプレイステーション5の仕様の一部を公表しました。

マイクロソフトの Xbox Series X と同じAMD製のプロセッサを採用することから共通点も多い一方、差からは両社の設計思想の違いが見えてきます。



PS5の詳細スペック(の一部)が明かされたのは、「The Road to PS5」と題した開発者向け映像から。PS4に続いてPS5のシステムアーキテクトを務めるマーク・サーニー氏がゲーム開発者カンファレンス GDC向けに用意していたセッションを、中止になったGDCのかわりにネット公開する内容です。

一般向けの「何だかすごいアピール」としてスペックの数字を羅列する系のプレゼンテーションではなく、設計にあたって何を目指したのか、その結果どのような仕様に決めたのかを開発者向けに解説することが目的の映像ではあるものの、GPU / CPU のクロックと速度指標、RAMの量と速度、SSDの転送速度など、主だったスペックの数字はスライドから判明しています。

Sony

プロセッサ

AMD Zen 2 CPUコア x8 at 3.5GHz (可変クロック、最大時)
AMD カスタムRDNA2アーキテクチャ GPU、36CU at 2.23GHz (可変クロック、最大時)。10.3 (10.28)TFLOPS

GPUはレイトレーシング、ジオメトリエンジン、プリミティブシェーダー対応。PS4 / PS4 Proと互換。
実際にはタイトルベースで動作を確認するためホワイトリスト式。発売時には、よく遊ばれるPS4ゲーム100本のほとんどが対応できる。

・CPUとGPUは消費電力つまり熱設計上の余裕を融通しあう関係。最大性能は両立しない。
・レイトレーシングについては、一般的なゲームでフルレイトレーシング描画は難しくても、大域照明や影の効果だけでなく反射など高度な表現まで実用可能
・「もしPS5が発売される頃に同様のPC用GPUが出ていたら、それは(ソニーからのインプットも含めて)AMDとのコラボが実を結んだもの。PC向けの汎用品を持ってきたのではない」

RAM
16GB GDDR6、448GB/秒

Sony

SSD
容量825GB。転送速度 5.5GB/秒(ネイティブ)、8~9GB/秒(圧縮)
シークタイムの削減等も含めた転送速度は、PS4のHDD比で100倍以上。メモリ効率も改善。
・KRAKENハードウェア圧縮や、メインSoC側に専用I/Oコプロセッサやコヒーレンシエンジン、SRAM搭載。9コア分以上のCPU負荷を肩代わりする
・SSDは次世代ゲーミングの鍵。ロードが速くなる(なくなる)だけでなく、ステージ構成やゲームデザイン上の制約をなくすことが目的。
・多数のユーザーのプレイスタイルを長期間分析したところ、825GBは十分な量と判断した。

Sony



拡張ストレージ
特定の市販 M2 SSDを使用可能。速度や物理形状のテストを経て利用可能と確認できたものをソニーが公表予定
外付けUSB HDD / SSDも利用可能。PS4ゲームなど

オーディオ
TEMPEST 3Dオーディオエンジン


RAMの量は以前からのうわさどおり、 Xbox Series X と同じ16GBでした。額面では16GBではあるものの、SSDが桁違いに高速化したこと等で、ゲーム側から使える実効メモリ量としてはさらに増えると表現しているのも Xboxと同様です。

「TFLOPSは実態にそぐわない指標」


目を引くのは、そしてもっとも引用される数字になりそうなのは、カスタムGPUの性能指標のひとつが「10.3TFLOPS (可変クロックで最大時)」であること。

カスタムRDNA2アーキテクチャの36CU (コンピュートユニット) x 最大 2.33GHzで駆動します。可変クロック設計の最大時のため、消費電力つまり熱設計上の予算をCPUコアと分け合いつつ、GPUだけを最大速度で動かした場合の数字です。

CPU側の最大性能とは両立しませんが、実際にはほとんどの状況で最大性能で動く、不可能な場合でもクロックを数%落とすだけで消費電力は10%下げられると説明しています。

GPUの基本アーキテクチャが同じ RDNA2 の Xbox Series X は、52CU を固定1.825GHz で回して常に12TFLOPS。もっともよく使われる性能指標である TFLOPS で見れば、他の部分を犠牲にした最大時10.2 vs 固定で常に12の差となり、額面上は Xbox よりもグラフィック性能が下ということになります。

しかしマーク・サーニー氏によれば、TFLOPSはGPUの様々な機能のうち、浮動小数点演算というただひとつの能力だけを測る指標であって、現代ではすでに意味が薄く、目安にするのは危険。CUの数よりもクロックが高いほうが、GPUが備えるその他の機能を高いサイクルで回せるため実効上は優れている、と説明しています。

Sony

後方互換について。PS3のPS2互換は実質的にPS2そのもののグラフィックチップを物理的に載せていたため、コストが高く、PS3ゲームを遊ぶ分には寄与せず、途中で互換性を捨てる必要があった。

Sony

PS5の場合、プロセッサ自体が互換。PS4レガシーモード、PS4 Proレガシーモードでそのものとして動作する。ただし完全に問題がないか個別に検証が必要なため、ホワイトリスト式で互換リストを拡充してゆく。PS5発売時には、PS4でよく遊ばれるソフトトップ100のほとんどが遊べる見込み。

SSDは超高速

Sony

GPUが(サーニー氏いわく不適切な)TFLOPS指標ではライバルを下回った一方で、SSDは大きく上回る高速化を果たしています。

PS5のSSDは、生の転送速度が「最低 5.5GB/秒」。KRAKENフォーマットに対応したハードウェア展開エンジンや、CPUにI/O負荷をかけずにメモリに転送するI/Oコプロセッサ、GPUとのデータ転送など効率化するコヒーレンシエンジンといった仕組みにより、実効上は「8~9GB/秒」をうたいます。

Xbox Series X の SSDは、ネイティブで 2.4GB/秒、圧縮展開で 4.8GB/秒。つまりPS5のSSDは、何もしないネイティブですら Xbox Series X の倍以上速いことになります。

一方で、ストレージを高速化する「ベロシティ・エンジン搭載」を大々的にアピールしていたマイクロソフトによれば、メインSoCとメモリ、SSDコントローラと新APIを密接に統合することで、メモリ・ストレージともに実効性能上は「2倍から3倍」の効率化が可能としています。ソニーの「TFLOPS で測れない実際の性能が重要」のように、ゲームにどう差がつくかはこれからのデモの期待です。

市販SSDも利用可能

ストレージの拡張については、M.2 SSDを利用できるスロットを搭載します。Xbox Series X が内蔵のカスタムSSDと同じ性能を維持するためとして、専用の独自形状SSDカードを挿入する方式だったのに対して、PS5は市販品が利用可能です。

ただしPS5の高速なストレージシステムに見合う性能のSSDであること、物理形状としても対応することが条件。どのM.2 SSDでも使えるわけではなく、PS5の発売時期にソニー側が検証した特定の製品が使えると説明されました。

速度については、PS5の内蔵SSDが独自コントローラによってさらなる高速化を実現していることから、同じコントローラを持たない市販品では5.5GB/秒を上回る速度が必要です。

PC用としても超高速で非常に高価な PCIe 4.0 NVMe接続SSDだけとはいえ、PS5が現役であるあいだにも市販SSDは高速になり容量も増え安くなってゆくことを考えれば、「いずれ」手狭になった際、速度を犠牲にせず市販品が使えるのは大きなアドバンテージです。

一方、速度を求めない拡張としては、USB接続の外付けストレージも接続可能。こちらはレガシーなPS4タイトルなどを保存して直接起動できます。速さを求める場合、低速な外付けから内蔵SSDに移動させることも可能です。

3Dオーディオへの注力

Sony

今回のマーク・サーニー氏のセッションでもっとも際立っていたのは、3Dオーディオについての説明がかなり大きな部分を占めたこと。

オーディオはゲーミングで大きな進化が見られなかった未開拓の領域であり、テンペスト3Dオーディオエンジンにより革新的な差をもたらすとしています。原則は、

・本格的なオーディオを誰にでも。7.1chサラウンドセットアップや高価なサウンドバーのユーザーだけでなく、テレビのスピーカー、ヘッドホンでも。

・数百個の独立した音源を高度にシミュレート。左右ステレオや7.2chといったレベルではなく、ゲーム空間内に存在するあらゆる物体について、3D座標を持ったサウンドソースとして正確に捉え、その場にいるような臨場感あるサウンドを再現する。

・プレゼンス&ローカリティ。臨場感。たとえば雨が降っている場面では、雨音を録音した音源を再生するのではなく、雨粒が空から落下し、さまざまな物体に当たり、複雑に反射する過程をシミュレートすることで、実際にそこに立っているような感覚が得られる。ローカリティは音の定位。左右ステレオだけでなく後ろから、上からの音もそちらから聞こえるように。

実際のプレイ環境では、数百のスピーカーでプレーヤーを覆うことはできないため、3Dオーディオエンジンでシミュレートした結果を、利用できるスピーカーで仮想的に再現することになります。

この際に利用するのが、人間の耳や頭蓋の形状により、音の伝わり方が変わることを数字に置き換えたHRTF (頭部伝達関数)。

Sony

人間の耳が左右にしかないのに、かなり正確に音の方向を把握できる原理を逆に応用して、3DオーディオをHRTFに通すことで、少ないスピーカーからの音が立体的に聞こえるようになります。

HRTF自体は市販の仮想サラウンド製品で昔から使われている技術ですが、人によって立体的に聞こえたり聞こえなかったりする原因は、このHRTFが本来は個人ごとの頭部の形状や耳の位置、かたちから生成すべきものであるのに、万人向けの標準HRTF使っていることがあります。

PS5ではこの問題に対して、当初は5種類のHRTFを用意。簡単なテストを通じて、どれが自分の耳のかたちに近いか、実際に音を聴いて選ばせることで、従来は仮想サラウンドが立体的に聞こえなかった人でも実感できやすくすることを狙います。

マーク・サーニー氏いわく、この選択式はあくまで簡易的なもので、将来的にはたとえばユーザーに耳の画像や動画を送ってもらいそこからHRTFを生成したり、音ゲーを遊ぶことでプレーヤーの反応を分析してHRTFを得るなど、さまざまな手法が考えられるとしています。

 

TechCrunch 注目記事「新型コロナのソーシャルディスタンス(社会的距離戦略)を強力に支援するビデオチャットアプリ8選

関連キーワード: playstation, playstation5, ps5, sie, sony, xbox, xboxseriesx
0シェア

Sponsored Contents